2013年08月

ルビー(非加熱)

2013年08月17日19:38
さて、今回も奥さんのとっておきからの一品。

「ルビーを買うのなら、ひとつはここで」と
奥さんが考えていた店が銀座にあり、
銀ブラの最中、フラリとおもむろに(冷やかしに)寄った時、
見せられて(魅せられて)思わず買ってしまった一品。

ルビー







 ルビー 0.49ct
 (産地:ミャンマー ナムヤー地方)


写真ですとピンクに見えると思うのですが、
実際に目で見ますと、本当に赤。真紅な雰囲気です。

お店は、日本でもルビーと言えば……と名前が挙がる「モリスルビー」さん。
ルビー専門(と言っても、その他コランダムなどなども扱ってますが)のお店で、
ルビーにかなりの拘りを持ち、自ら鉱山でクラリティの高いのを抽出して売っているお店です。

流石に、一目見るだけで「綺麗!」とわかるルビーを沢山おいてある上に、
店員さんも、色々と「そんな話聞いていいの!?」という話まで、
気軽に話してくれるフレンドリーさもあってか、
次々と美しいルビーを眺めてる内に「じゃあ、これください」と言ってしまった次第。

モリスさんでは、ルビーにクラリティをつけており、こちらのルビーはS5。
S6のものと悩んだのですが、色の好み的にこちらにしました。
(もうひとつのものは、紅味が更に強く、光によっては黒い印象が強いほどでした)

ひっくり返すと、こんな風。
ルビー

横から見ると、こんな感じ。
ルビー
写真では、全然わからないと思いますが、
ルビーに多い、シルクインクルージョンがない透明感の高さと、
それでいて、ミャンマー産特有の蛍光感があり、すごく綺麗です。
(写真取れませんでしたが、紫外線ライトで綺麗に蛍光します)

マダカスカル産のルビーと並んで1枚。
ルビーたち
こうみると、マダカスカル(手前)の方が紅味は綺麗かもですね。
が、今回の子は、透明感と蛍光感があわさった綺麗さが見事なのです。

今度、本の紹介でもしようとは思いますが、
ビルマ(ミャンマー)産ルビーは紫外線蛍光する=屋外で見ると
太陽光の紫外線で、燃えるように輝く
……ために、価値が高いようです。

今までいろいろなところで何度か蛍光を見せてもらったことがあり、
「紫外線蛍光するんだ、すごい! こんな蛍光色に!」と驚いていましたが、
ただの色変わりの実験ではなかったんですね~。
やっと、紫外線蛍光が美につながるのだという基本的なことを知りました。^^;
 

クリソベリル(リカット)

2013年08月08日23:06
通常更新に戻りまして、

奥さんのとっておきシリ~ズ。

第一弾は、我が家でも初の試みとなりました「リカット」物。

選んだのは「これをカットをしなおしたら、もっと綺麗かもしれない」と
奥さんが思っていた……クロムで緑色がかったクリソベリル。
(バナジウムではない方です)

これを数々のコンベンションで優勝している、
世界トップクラスのカッター、
ルートオブパワーの狩野さんに頼んでみた、
という一品です。
クリソベリル







 クリソベリル 1.13ct
 (リカット前 1.77ct) 


じゃん!
なんか、とても高級な佇まいになりました!
しかもツヤツヤで、虹色の輝きが出ます!

リカット前はこちら。
クリソベリル
まるで違う石の様相です。
ダメダメってものでもないのですが、
リカット後と比べると、かなりガチャガチャっとしています。

リカット後の石の角度を変えると、こんな感じ。
クリソベリルクリソベリル
一見すると、シンプルにも思えますが、面の取り方が丁寧で輝きが全く違います。
リカット後の子は、七色の光まで見えるほど、綺麗に光を通して反射します。

横から見ると、こんな感じ。
クリソベリル

リカット前の横からは、こちら。
クリソベリル
リカット前は、ガードルからして不均等だったのが、美しく整然としています。

次は背面から見た時。

こちらは、まずはリカット前。
クリソベリル
ルートオブパワーさんに見てもらった時に、
真っ先に突っ込まれていたのは、このキューレット部分。
ちゃんと見ると、少しずれていて中心にありません(^^;

リカット後は……、
クリソベリル
シャープなパビリオンから伸びるキューレットが美しい!

奥さんが「どうもこの石、なんか変。
カットが変われば、もっといい子になるのでは?」との予想は見事に的中。
といいますか、流石マスターカッターと言われる方のリカットです。
脱帽です!

ちなみに、リカットの流れですが……
新宿ショーに来てくださっていたので、
この石を持って行って相談しました。

そのまま石を預けて、しばらくしましたらメールがきまして、
リカットの計画表やムービーがわかるようになっていました。
(ムービーはCGです)

奥さんは、ルートオブパワーさんらしいオリジナルの
カットにしようか悩んでましたが(金額は高くなります)、
カラットが減ることもありまして、今回はシンプルにすることに。

1カラット以下になりそうと思っていましたが、
1カラットキープで戻って来ました。びっくりです。

初めての試みですが、大成功でよかったです。^^ 

宝石に興味をお持ちの方へ2

2013年08月02日20:46
こんばんは、奥さんです。

前回の続きを書いてはあったのですが、
お仕事が忙しく、清書できませんでした。;; 

内容的には、勇気を出して
少々踏み込んだ内容を書いてみようと
頑張ってみてはおりますが……
本当に難しいですね。

前回のエントリーを見ながら、旦那さんと
「私たちは今現在、そう感じていて、
一般的にはそう言うしかないけれども、
どこの世界にも例外というのはあるのよねぇ」と
会話したりいたしました。

※そして今回は、旦那さんが写真を入れてくれました!
 
-------------------------------
6.硬度と劈開について

詳しくはWIKIで調べていただくとしまして、
モース硬度が高い(堅い)にこしたことはございません。

・ほこりがついた状態で擦ると、傷がつくかどうか?

・スチールのドアなどに擦ってしまったときに
 傷がつくかどうか?

……などというお話です。

空気中のほこりに入っているとされる石英が
硬度7でございますから、硬度8以上ですと
とっても安心ということになります。

非加熱ルビー







ルビーは硬いですね!



また、劈開はぶつかったときの割れやすさと
思ってしまってよいのではないかと思います。

・よい感じの角度でぶつかると、
 あらま! 真っ二つ!

……と捉えております。

カイヤナイトたち




←綺麗なのに
劈開性が気になる石。
カイアナイト。



WIKIで調べていますと
「靱性」という言葉もよく出てきますが、
ルース界(!?)では、あまり聞かないですね。。。
プロの方はよく使われるのでしょうか?

さて、そのような硬度や劈開。
「そんなに気にする必要はあるの?」と
訝しむ方もいらっしゃるかもしれません。

が、私の場合は、
指輪になると必ず、擦ったりぶつけると思っております。
小指につけるピンキーリングは、特に危ないです。

ゴールデンドラバイト

どの指だとしても、
かなり気をつけていても
しかもデスクワークであっても
油断大敵なのでございます。

経験上、一番、危ないのはドアです。
次が手すり、エレベータの壁など。

人が多いところでは、
道を譲ったり・譲られたり、ドアを押さえたり・
押さえていただいて急いだりいたしますよね。

そちらに注意がいってしまって……ガツン!
ということもあります。

長時間、身につけるのでしたら
「ぶつけないよう、気をつけていても無理」だと
私は思っておりますので、硬度・劈開にはお気をつけください。

ちなみに、旦那さんは
気分が悪くなって倒れたときに
硬度:8.5、靱性:強い、劈開:明瞭(完全よりはマシ)の
指輪を床にぶつけて、小さいチップORニック(欠け)を作り出しました。

クリソベリルを欠けさせるとは……あなおそろしや!です。


7.カットについて

それほど詳しくありませんので、
私の印象で簡単に申しますと……

「カットが良い=その素材の良さが100%引き出されている」
と、考えればよろしいかと思います。

輝き、色、表面のツヤツヤ感などでして、
いろいろなところでクルクル回してみると
わかるような事柄です。

ネット上だけですと
最も伝わらない要素が引き出されていますので、
実物を見なければわからないと思います。
(ダイア、もしくは有名カッターのお品は例外です) 

カットが悪いものを良くするためには
「リカット」……つまり、
「もっとよくカットしてほしい」と
専門の方へ依頼する手がございます。
 
ロードライトガーネット




←写真だとわかりにくいけれど
ちょっとお米風だったり……






もちろん、お金がかかりますし、
小さくなります。;;

最悪、重さが半分以下になるという
覚悟が必要なのではないかと
思っております。

そういったわけでございますので、
最初から、カットが普通以上かどうか
気にして購入した方がよろしいかと思います。
 
ヒマラヤトルマリン








←カットのおかげで
実物が、本当に
美しいトルマリン



特にダイアモンドは
致命的ですのでお気をつけください。

そうそう、色石は、ダイアモンドと異なり、
カットについて「EX」「GOOD」などの表記が
普通はございません。 
こればかりは、ネット上でも皆様の目で判断ということになります。 

あと、カボション(つるんとした半ドーム形)は
本当にかわいらしくて^^
指輪になるととても良いものになるのですが……
クオリティが低いからカボションにするということが
ルース界では一般的なようです。

ファセット・カット(ダイアのように角々しているもの)よりも
カボションの方が、見た目的に傷が目立たないようですね。
ヘミモルファイト






←見た目だと
インクルージョンが
あまりわかりません。



8.キャラットについて

私どもはよく、カラットといっておりますが
本来はキャラットのようですね。^^;

石の重さを表す「ct」のことです。
(同じ種類の石ならば)大きさにも比例します。

例えば「1ct」と申しましても、
1ctのサファイアと1ctのオパールを比べると、
断然、オパールの方が大きくなります。お得です。

比重の差が原因なのですが、一般的には
「コランダムは、思ったより小さくなるから注意」と
覚えておけば、事は足りると思います。^^;

個人的な印象で申しますと、
指輪にするには、0.5ct~1ctくらいがちょうどよいかと思います。
ネックレスならば、もう少し大きくても大丈夫かもしれません。

ルースコレクターになりますと、
(皆様の好みとしてはいろいろですが)
私としましては、1ct以上がお勧めです。

どこかに飛んでいくこともありませんし、
扱うときに息を止める必要もございません。
写真も撮りやすくなります。

そして、3ct前後あたりを入手いたしますと
本当に楽しいです!^^

5ct以上の石はほとんど持っておりませんので、
そのあたりのことはわかりかねますが、
楽しさ的には、3ctくらいあれば事足りるように思っております。
(思いたいだけかもしれません^^;)
青い石たち




←でっか!!







9.インクルージョンについて

石の中に線が見える、黒い点が見える、白い点が見える……と
いった場合は、インクルージョン(内包物)かクラック(割れ)だと
思います。

クラック(割れ)はよろしくありませんので、避けた方が無難です。
指輪などに加工するときに、小さなクラックから
大きく割れることがあるとのこと。

インクルージョン(内包物)の場合は、
目立つか目立たないか、
好きか嫌いかで話が変わります。
スフェーン






←インクルが多いけれど
それが輝きに繋がっており
ぎらんぎらんのスフェーン。




おそらく、ほとんどの方は
インクルージョンがない方がいいな~と
思うのではないかと思います。その方が綺麗なわけですし……。

インクルージョンの度合いにつきましては、
「IF・VVS・VS・SI」などのダイアと同じような表記を用いたり、
「フローレンス」「クリアー」「アイクリーン」という言葉が使われたり
しているようです。

アイクリーンというのは、「肉眼でみてクリーンだけれども、
10倍ルーペで見ると何かあります」というものです。

「顕微鏡などで見て、インクルージョンがない」ことは
素晴らしいことではありますが、インクルージョンは
「その石が本物かどうか・非加熱かどうか・産地はどこか」の
ヒントになるものです。

この頃、私どもは
「アイクリーンだけれども、顕微鏡(もしくは10倍ルーペでも)で
インクルージョンが少し目立たないところにある」ものが
一番いいのではないか?と思い始めております。

バイオレットサファイア?(非加熱)




特に
コランダムには重要です。

インクルが少し
あるおかげで、
非加熱鑑別書が出てます。



10.色について

「濃いのがよい」「純色が最強」と思っておけば、
おそらく大丈夫だと思います。
アウイナイト






←アウィン。
原色の青といえば
この石ですね。



世界的な価値という意味で最強ですので、
パステルカラーが好みの方は
「しめしめ、私の好きな色は安く買えるぞ……」と
ほくそ笑んで楽しんでいただけると思います。

ベルエトワールさんの本を読むとよくわかるのですが、
濃いように見えても黒色が入ってきますと価値が下がります。

実際に比べてみると、
「ああ、黒っぽくない方が綺麗に決まってますね」と
納得がいきます。

しかし、私のような素人眼ですと
本当に並べてみないとわからないことが多いため、
お店の方に「この石でよい色ってどんなものでしょう?」と
尋ねてしまうのが早いかもしれません。(迷惑そうでなければ)

はっきり言いまして、色が最強のものを探すことは
とても難しいです。

そのため、「青だと思う」「赤だと思う」「緑だと思う」で
問題はないと言いたくなりますね……。

もしも「これぞ!」というものを見つけましたら、
色と輝きのバランスについて
注意してください。
クロムグリーンスフェーン




←旦那さん一押しの
スフェーン。






また、その石にとってレアな色というものが存在します。
そういったものに興味がある方は、
立派なコレクターになってくださるでしょう。^^
心から応援しております。

------------------------

これにて、通りすがりの方向けの
少々無責任な(!?)語りは終わりです。

もう少し、わかりやすく書きたかったのですが、
なかなか難しいですね。。。

ここまで読んでくださった方、
また、更新がノンビリ状態ですのに来てくださる方、
本当にどうもありがとうございました! 
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